MM戦略シート作成のやり方

MM戦略シートとは、、、?

どんなに厳しい状況の中でも確実に売上を伸ばしている中小企業は存在しています。その様な企業は他と何が違うのでしょ うか?その答えを端的に言うならば「ライバルには絶対負けない強みを一つ以上持っている」という事だと思います。自社より規模の大きい業界大手を相手にしたとしても決して負けない「強み」を持っている事が企業を運営していく上でどれだけ力になるか 想像してみて下さい。ただ、それを見付け、育てていく事は容易ではありません。何もないところから作っていくには時間もコスト もかかる。そうは言っても現在ある経営資源の中からそんな金の卵を産み出す事ができるのか?そんな風に思われるでしょう。

このような時に活用して頂きたいのがMM戦略シートです。MM戦略シートとは市場分析、3C分析、SWOT分析、基本戦略、4P戦 略の順番に各項目を埋めていき、自社の経営資源から競合にも対抗し得る「強み」を見付け出し、それを元にした戦略を立案し ていくマーケティング・ツールです。一つ一つの項目はマーケティングの基本とも言える分析方法ばかりですが、それを連続させ て行う事で戦略全体にブレが生じづらくなり、一貫性を持てるメリットがあります。また、達成すべき目標に対して直線的に戦略を 練られるようにもなります。

MM戦略シートを活用する事で自分達の力で新しい商品・サービスを産み出す事や既存の商品・サービスでも新しい市場を作り 出せるようになるのは勿論ですが、コンサルタントのような外部の方達に頼らなくても自分達で事業全体を考えて決断し、実行で きるようになり、自社のビジネスに対して今まで以上に愛着や実感を感じられるようになると思います。それに比例して自然と売 上も上がってくる筈です。このように自社をより良い循環に導いていく為のキッカケとしてこのMM戦略シートをご活用ください。

MM戦略シート ペコロス

MM戦略シート(サンプル)

ローカルフリーペーパーの差別化戦略について

MM戦略シート空欄

MM戦略シート(空欄)

項目① 市場

目的

データに基づいた項目を挙げていく事で自社の商圏内、業界内での現状 の立ち位置を把握していきます。

やり方  ※以下の項目を参考に客観的に現状を挙げていきます。

実際に営業活動を行なっているエリア(商圏)。

お客様の業界、規模、売上 など

・マクロ→商圏(営業エリア)、商圏内の人口、経済規模(事業者数、GDP)、業界全体の売上(成長率)、競合する業界

・ミクロ→業界内での自社のシェア(売上、取引件数)、競合他社、

PEST分析(トレンドを読み解く為に行う) 目的→景気の変動や法律の改 正、人口の流動など社会的な変化を見出す

 ・politics(政治的要因)→法改正、政権交代、デモなど

 ・economy(経済的要因)→物価、消費動向、経済成長率、株と為替の動 き

 ・society(社会的要因)→人口構成、少子高齢化、世論など

 ・technology(技術的要因)→インフラ、イノベーション、IT、新技術など

市場を正確に捉える事は今後の戦略立案に非常に役に立ちます。ポイント は「こうしたい」というような主観的な企業としての意思を表すのではなく、 あくまで現状を客観的に捉える事です。

項目② 3C分析

3C分析

目的

3C分析とは実際にビジネスを進めていく上で絶えず関わりを持ち続ける「自社」「競合」「顧客」の現状を把握し、比較していく事で  状況認識を行い、戦略を立案していくための土台を作るプロセスです。集め続けた膨大な情報量を整理していく事で戦略の方向性  が見えてくるメリットがあります。  また、3C分析を通して顧客、競合、自社それぞれの内容を丹念に吟味していく事で「強み」を作り出すためには自社の事業戦略が  現状の方向性を深堀りしていけば良いのか、それとも今まで気付かなかった顧客の特性に着目して新しい市場にチャレンジして  いくべきか判断して、自社の「強み」を元にしたビジネス上で達成すべき「戦略目標」を仮設定し、次のSWOT分析へ繋げていきます。

やり方

顧客

3C分析の出発点はあくまで顧客です。まずは自社の商品・サービスのどこが顧客 に支持されているか(どこに価値を見出してもらっているか)を理解しないと次へ進 めないからです。主な業界、エリア、規模などの定量的な内容や志向、傾向などの 内面的な部分も挙げられるとより深く顧客の事を理解できてきます。

競合

商品・サービスが自分達と類似している、自社の商品・サービスにとって代替品と なり得るモノetcビジネスを進めていく上で障害となると考えられる存在が「競合」で す。顧客によく出入りしている同業他社やいわゆる業界大手と言われている企業 などから思い当たるかと思います。先程の市場分析や3C分析を進めていく中で思わぬところから自社を脅かすような価値を提供している企業に(競合)が見つかる 事もあります。

自社

理解できているようで意外とできていないのが自社の事です。売上高や市場シェ ア、ブランドイメージ、技術力、資本金などの定量的なデータを始め取り扱っている 商品・サービスの特性などを丹念に挙げていく事でビジネスとしての資産は何処に あるのかを探っていきます。また、先に分析した顧客、競合の内容を踏まえた上で 自社が該当市場で成功できている要因や逆に取り込めていない分野を明らかにし ていきます。

項目③ SWOT分析

SWOT分析

目的

SWOTとは企業の取り巻く状況を内部環境(経営資源)である強み(STRENGTH)、弱み(WEAKNESS)と外部環境(経営を取り巻く環 境)である機会(OPPORTUNITY)、脅威(THREAT)に分類して分析していく手法です。強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)それぞ れの頭文字をとってSWOTと呼びます。 SWOT分析を通じて事業戦略や経営計画を策定していく時に必要不可欠である内部環境と外部環境の分析を統合的に行っていく事で、 これまでの市場分析や3C分析を通じて仮設定した「戦略目標」が達成可能かを判断していきます。もし、達成不可能と判断した場合は別 の目標を立ててSWOT分析をやり直します。達成可能と判断できた場合にはじめて正式に「戦略目標」として採用します。仮説で良いの で戦略目標を定めてSWOT分析をしないと、結果的に意味の無いものになってしまいます。

やり方

以下の内容を参考に自社の特徴を分類していきます

●内部環境→自社でコントロール可能な要素の事。  

 競争相手と比較した相対的なもの (自社の得意分野であっても競争に負けていたら強み(S)にはならない)

 ・強み(S)→経営資源上、競争相手より勝っている点

 ・弱み(W)→経営資源上、競争相手より劣っている点

(例) 資源(財務、知的財産、立地)、顧客サービス、効率性、競争上の優位、インフラ、品質、材料、経営管理、価格、輸送時間、コスト、容量、主要顧客との関係、市場における知名度・評判、地域言語の知識、ブランド、企業倫理など

●外部環境→自社ではコントロールできない要素の事。政治動向、景気、社会状況、世相、業界環境、技術進歩など

 ・機会(O)→上手く活用すれば業績が拡大する外部環境の変化

 ・脅威(T)→そのまま放置すると業績が悪化する外部環境の変化

(例) 政治・法令、市場トレンド、経済状況、株主の期待、科学技術、公衆の期待、競合他社の行為など

項目④ SWOT分析から導き出される基本戦略

SO戦略

目的

SWOT分析で「強み」を元に設定した戦略目標を具体的にどのように活用していくかを内部環境(強み/S、弱み/W)と 外部環境(機会機会/O、脅威/T)の組合せで考えていきます。市場分析や3C分析などで導き出しました市場の現状や 競合他社の動向などを考慮しながら、どの組合せを採用するか弾力的な判断が必要です

考え方

SO戦略(強み機会):強みを機会の中で最大化させる

WO戦略(弱み機会):弱みを補完して機会を活かす

ST戦略(強み脅威):強みをよって脅威に対処する

WT戦略(弱み脅威):弱みと脅威の最小化、撤退も選択肢

ポイント

中小企業の様に経営資源に制約がある組織が採用するのは基本的にはSO戦略となります。内部環境において、弱みを順番に強みに変えていく 手法では時間とコストが掛かり経営資源の豊富な大手企業に総合力で はどうしても勝てません。「一点突破」の精神でまずは自社の特徴を活かす意味でもまずは「強み:S」に集中すべきです。また、外部環境において も脅威に対して優先的に対応していては効率はよくありません。ここでも 経営資源を効果的に活かす為に「機会:O」に集中していくのが得策で しょう。どうしても目に見えて分かりやすい「弱み:W」を改善してチャンス を得ようとするWO戦略に向かいがちですが企業にとって大切なのは「競 争に勝ち残る事」であり、弱みを改善させる事が目的になってはいけませ ん。ただ、競合の規模が大きすぎてセオリー通りの戦略ではどうしても太刀打ちできない場合があります。どんなに強みを発揮しても規模の大きい 競合にスグ真似されて打ち消されてしまうケースなどが該当します。そん な時はST戦略を採用する場合があります。どの企業も手をつけない様な 脅威(T)に果敢に挑戦していく事で、他にはない強みを得ようとする戦略 です。この場合は戦略を実行していくのにコストが多くかかる事を覚悟し ておかないといけません。

項目⑤ 4P戦略

4P戦略

目的

これまでに分析してきた自社の状況、設定した「戦略目標」を踏まえた上で具体策を「 これまでに分析してきた自社の状況、設定した「戦略目標」を踏まえた上で具体策を「product product:製品」「price price:価格」「place place:流通」 「 promotion:プロモーション」の4つの分野に落とし込んで行動目標を決定していきます。 一通り各項目を埋めていった上で4つの内容を比較していき、矛盾点はないかをチェックします。また、バランスは取れているか、 相乗効果を出せれるようになっているかなどを確認します。 

【product:製品】

お客様のニーズに合致し、お客様にとって価値のある製品・サービスを企画・開発 する事を目的に消費者目線で物事を分析することが重要です。

ポイント

 ・お客様は商品・サービスに何を求めているのか?(商品性、価格帯、感情など)

 ・自社はどんな商品・サービスにするか?

 ・商品・サービスの企画、開発、仕入れを具体的にどうするのか?

 ・顧客はどこでどうやって商品を使うのか? 

 ・買いたいと思うターゲット層はどこか?

【price:価格】

自社の商品・サービスをいくらで販売するのかを決めていきます。お客様が納得し 抵抗なく購入でき、企業がしっかり利益を出せる価格が適正価格です。

ポイント

 ・ターゲット市場に対し提供する商品

 ・サービスの価格は適正か?

 ・競合他社に比べて魅力的な価格か? 

 ・コストに対して十分採算の取れる価格か?

 ・値引き戦略は? 

 ・その商品にとって指標となるような価格は市場で確立されているか?

【place:流通】

どのような流通戦略で販売していくのか?自社の商品・サービスを求めているお客様の元に円滑に届ける為に販売場所や販売方法、流通経路を決定する。

ポイント

 ・お客様はどこで自社の商品

 ・サービスを探して見つけるのか?

 ・自社の商品・サービスをどこで売るのか?

 ・誰が自社の商品・サービスを売るのか?(営業スタッフ、インターネット、広告など)

 ・同業他社と差別化はできるのか?

【promotion:プロモーション】

どんなに素晴らしい商品・サービスでもその存在が世の中に知られていなければ、 それは無いものと一緒です。どんな広告手法で認知度を高めていくのか?目的により様々な媒体、メディアを使い分けより特性に合ったプロモーション戦略が求められます。

ポイント

 ・自社の商品・サービスに求めているお客様にどうやってお知らせするのか?

 ・どの媒体・メディアを利用するのか?

 ・販促をする最適なタイミングは?(季節、時間、曜日など)

 ・ターゲットの市場で費用対効果のある広告宣伝はどんなものがあるか?

 ・誰がいつ、どのような販売促進を行うのか?

項目⑥ まとめ

モノを売るのが難しい時代だと言われています。長らく続く消費低迷基調の経済状況の中でも同じ商圏に同業他社が乱立し商品・サービスが溢れている「飽和状態」になると言えます。そんな中、「以前に成功した時と同じ様にやっているのに・・・」「大手の 方法を参考にしても役に立たない・・・」こんな風にお悩みの中小企業の経営者さんは多いかと思います。また、インターネットの 発達により消費者が簡単に比較検討できるようになり、価格の安さだけでは勝負できなくなっているのもモノが売れなくなっている要因のひとつと考えられます。

そんな苦難の時代だからこそ、MM戦略シートのようなツールを上手く活用して頂き「ピンチをチャンスに変える経営」を実践して頂けますと幸いです。

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